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特集 ホメオスタシスと腎臓
各論
上皮型ナトリウムチャネルとACE2受容体:COVID-19を発症したCKD患者の自律的防御機構
Pathological and therapeutic significances of ENaC and ACE2 in CKD patients with COVID-19
風間 逸郎
1
KAZAMA Itsuro
1
1宮城大学看護学群 専門基礎領域(医学)
キーワード:
慢性腎臓病
,
新型コロナウイルス感染症
,
アンジオテンシン変換酵素2
,
COVID-19関連急性腎障害
,
上皮型ナトリウムチャネル
Keyword:
慢性腎臓病
,
新型コロナウイルス感染症
,
アンジオテンシン変換酵素2
,
COVID-19関連急性腎障害
,
上皮型ナトリウムチャネル
pp.611-618
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000949
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はじめに
レニン・アンジオテンシン系(renin-angiotensin system:RAS)は全身性,および主要臓器においては局所性にも存在しており,生体のホメオスタシスの維持には欠かせない体液の調節機構である。近年,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)では,RASの主要な標的因子である上皮型ナトリウムチャネル(epithelial sodium channel:ENaC)や,主要な調節因子であるアンジオテンシン変換酵素2(angiotensin converting enzyme:ACE)2が,ウイルスの侵入やその後の重症化に大きくかかわることが明らかになってきた。本稿では,特に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)における,COVID-19重症化への自律的な防御機構としてのACE2やENaCの意義を,筆者による最新の研究成果も交えながら概説する。
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