CKDにおけるサルコペニア・フレイル対策
CKDにおけるサルコペニアの発症機構
吉田 卓矢
1
,
熊谷 裕通
1静岡県立大学 臨床栄養学
キーワード:
Angiotensin II
,
Insulin
,
Insulin-Like Growth Factor I
,
シグナルトランスダクション
,
成長ホルモン
,
栄養障害
,
炎症
,
筋タンパク質
,
糖尿病
,
Ubiquitin
,
Proteasome Endopeptidase Complex
,
筋肉減少症
,
慢性腎臓病
,
Myostatin
,
アシドーシス-代謝性
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Inflammation
,
Muscle Proteins
,
Insulin
,
Nutrition Disorders
,
Growth Hormone
,
Signal Transduction
,
Ubiquitin
,
Proteasome Endopeptidase Complex
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Sarcopenia
,
Myostatin
,
Angiotensin II
,
Insulin-Like Growth Factor I
pp.1021-1028
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015337782
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近年,慢性腎臓病(CKD)患者の予後を改善することを目的として,サルコペニアの予防・治療が注目されている.筋肉量は,筋蛋白合成経路であるinsulin/insulin-like growth factor 1(IGF-1)シグナリングと筋蛋白の異化経路であるユビキチン・プロテアソーム系やmyostatinの作用が相互に拮抗することで維持されている.また,IGF-1は筋線維が損傷した場合に筋線維の再生・肥大の中心的役割を担っている.CKD患者では,代謝性アシドーシス,低栄養状態,炎症,インスリン抵抗性,アンジオテンシンIIの増加などさまざまな病因により,筋蛋白合成経路が抑制されるとともに,筋蛋白の異化が亢進した状態にあり,サルコペニアに陥りやすい.今後,CKDの病因によるサルコペニアの機構がさらに解明され,予防・治療法が開発されることが望まれる.
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