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特集 一価イオンチャネル
ナトリウムチャネルタンパク細胞質側リンカーの構造と性質
Structures and functions of cytoplasmic linkers in a sodium channel protein
黒田 義弘
1
,
宮本 和英
2
,
中川 照眞
2
Yoshihiro Kuroda
1
,
Kazuhide Miyamoto
2
,
Terumichi Nakagawa
2
1京都大学大学院薬学研究科製剤機能解析学分野
2京都大学大学院薬学研究科薬品機能解析学分野
pp.295-303
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902553
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1 研究の背景
ナトリウム(Na)チャネルは,神経および心筋,骨格筋といった筋肉の興奮性細胞に存在する膜貫通型糖タンパク質であり,αおよびβサブユニットから構成される。その機能は,分子量250kD~300kDからなるαサブユニットに主として存在し,膜電位に依存してゲートを開き,細胞外のNaイオンを細胞内に取り込む。ゲート機構は2段階に行われていることが電気生理学実験から証明されている。すなわち,興奮性膜細胞への刺激に伴って脱分極が引き起こされ,Naイオン選択フィルターの機能を持つゲート(m-gate)が開き,所定量のNaイオンが細胞内に流入した後,細胞質側に存在する不活性化ゲート(h-gate)が閉じることによりNaイオンの細胞内への流入を停止し,元の静止状態へと戻る。
アミノ酸配列から推定される構造は,相同性の高い四つのドメイン(Ⅰ~Ⅳ)から成り立ち,各ドメインは6本の膜貫通ヘリックス(セグメント1;S1~セグメント6;S6)から構成される1)。
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