特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅰ.生化学・遺伝子
ミニ情報
パラミオトニーとナトリウムチャネル
佐々木 良元
1
1三重大学医学部神経内科
pp.1256
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903470
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ミオトニー(筋強直)とは,随意的筋収縮や,機械的あるいは電気的刺激による筋収縮が,刺激中止後も持続し速やかな弛緩が起こらない現象である.この現象が寒冷によって誘発されたり,通常のミオトニーとは逆に運動によって誘発・悪化するものを,パラミオトニー(異型筋強直)と言う.ミオトニー症状あるいは周期性四肢麻痺を主徴とする遺伝性筋疾患において,Na+,Cl-,Ca2+の3種類の骨格筋イオンチャネル遺伝子に異常が発見されている(表1).
このうち,ナトリウムチャネル遺伝子の異常に基づく疾患としては,先天性パラミオトニー,高カリウム性周期性四肢麻痺,ナトリウムチャネルミオトニーの3疾患が知られている.これらの疾患はいずれも常染色体優性遺伝形式を示す.
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