Japanese
English
特集 尿細管と腎線維化
【臨床と病理】
多発性囊胞腎にみる腎線維化
Renal fibrosis and autosomal dominant polycystic kidney disease
望月 俊雄
1
MOCHIZUKI Toshio
1
1PKD腎臓内科クリニック
キーワード:
ADPKD
,
Vasopressin
,
YAP
,
CCN2
Keyword:
ADPKD
,
Vasopressin
,
YAP
,
CCN2
pp.902-906
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000557
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
多発性囊胞腎(polycystic kidney disease:PKD)のうち,常染色体顕性(優性)多発性囊胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)は主に成人で発症し,両側腎臓に多発性の囊胞が進行性に発生・増大し,腎機能が低下する,最も頻度の高い遺伝性腎疾患である1)。2つの原因遺伝子,PKD1,PKD2遺伝子の発見以来,分子生物学の進歩とともにADPKDの病態解明が急速に進み,新規治療薬も開発された。以前から,ADPKDにおいて腎間質の線維化が病態の進行に大きくかかわることが知られている。また,ADPKDに類似する囊胞性腎疾患においても腎線維化の多くの知見が報告されているが,尿細管に起こる変化は微妙に異なる。そのため,本稿では近年報告された新たな知見をもとにADPKDにおける腎線維化について解説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.