Japanese
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特集 感染症と腎疾患
透析患者の感染症
多発性囊胞腎に伴う囊胞感染症
Cyst infection in patients with autosomal dominant polycystic kidney disease
諏訪部 達也
1
SUWABE Tatsuya
1
1虎の門病院腎センター内科
キーワード:
多発性囊胞腎
,
ADPKD
,
多発性囊胞肝
,
囊胞感染症
,
cyst infection
Keyword:
多発性囊胞腎
,
ADPKD
,
多発性囊胞肝
,
囊胞感染症
,
cyst infection
pp.810-816
発行日 2024年6月25日
Published Date 2024/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001364
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Ⅰ 囊胞感染症とは
囊胞感染症とは,常染色体顕性多発性囊胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease:ADPKD)患者で,肝囊胞または腎囊囊胞の内容物が感染する状態で,腎囊胞感染症と肝囊胞感染症がある。囊胞感染症は,ADPKD患者にしばしばみられる合併症で,欧米では,30~50%のADPKDが囊胞感染症を経験し1),ADPKD全体の入院のうち11%を占めるとの報告がある2)。日本全国から難治性囊胞感染患者が集まる当院においては,ADPKD患者の全入院のうち,約50%を囊胞感染症が占めていた3)。閉鎖腔である囊胞内での感染のため,難治化し再発を繰り返すことがある。当院では,最多で50回以上も入院を繰り返した患者を経験した。囊胞感染症を繰り返すうちに難治化し,致命的になる症例が時々みられる。当院の研究では,著明な腫大肝が,肝囊胞感染死の最大の危険因子と判明した4)。また,免疫力の低下している透析患者では,特に囊胞感染症が難治化しやすいことがわかった5,6)。当院での700人以上(3,000入院以上)の囊胞感染症の治療経験をもとに,ADPKDの囊胞感染症について詳述する3,7)。
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