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特集 腎疾患における臨床研究の進歩
【臨床研究の最新手法】
回帰不連続デザイン
Regression discontinuity designs
田栗 正隆
1
TAGURI Masataka
1
1東京医科大学 医療データサイエンス分野
キーワード:
因果推論
,
回帰不連続デザイン
,
局所効果
,
交絡
,
準実験
Keyword:
因果推論
,
回帰不連続デザイン
,
局所効果
,
交絡
,
準実験
pp.341-345
発行日 2022年9月25日
Published Date 2022/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000289
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はじめに
ランダム化比較試験では,十分な倫理的配慮と対象者の同意のもと,試験治療あるいは対照治療が各々の対象者にランダムに割り付けられる。一方,コホート研究などの観察研究では,治療や曝露の程度が異なる複数の群を長期追跡し,群間での疾患発生や死亡などのイベント発現状況の比較が行われる。ランダム化比較試験と異なり,治療法を研究者がコントロールできない観察研究において,治療効果の推定のうえで大きな困難となるのが,治療にも結果にも関連する第三の要因により生じる交絡の問題である。このため,観察研究における因果推論では,「治療−結果間に未測定の交絡因子は存在しない」という厳しい仮定が必要となる。この仮定は観察データから検証不可能であり,この仮定が成立しない場合,治療効果の推定にバイアスが生じてしまうことが大きな問題である。
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