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入門講座 医療統計ことはじめ・2
観察研究のデザインとデータ解析—多変量解析と傾向スコア
Designing and analyzing data from observational research: multivariable regression and propensity score
新谷 歩
1
Ayumi Shintani
1
1大阪市立大学大学院医学研究科医療統計学講座
1Department of Medical Statistics, Faculty of Medicine, Graduate School of Medicine, Osaka City University
キーワード:
観察研究
,
交絡
,
EZR
,
多変量解析
,
傾向スコア
Keyword:
観察研究
,
交絡
,
EZR
,
多変量解析
,
傾向スコア
pp.465-470
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201947
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観察研究—コホート研究と症例対照研究
今回はコホート研究と症例対照研究など,観察研究について解説します.前回解説した横断研究とコホート研究が決定的に違うのは,コホート研究では曝露がアウトカムより先に起こっているという時間の流れを正確にとらえるために,研究開始時点ではアウトカムの起こっていない人のみを組み入れ,その人たちに後日アウトカムである腰痛が発生するかどうかを観察するために追跡するという具合に,前後関係を明確にしている点です.例えば「定期的な運動が腰痛になるリスクを軽減する」ということを調べる研究を前向きのコホート研究で実施するためには,現在50歳台の健康な男性1,000人を運動を定期的に行っているかどうかで分類し,将来的に10年間追跡し10年後腰痛が発症したかどうかを調べるというようなデザインが考えられます.
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