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シンポジウム 骨肉腫の診断と治療のトピックス
温熱局所灌流による骨肉腫切除縁縮小の試み
A Trial to Reduce Surgical Margins with the Hyperthermic Regional Perfusion for the Treatment of Osteosarcoma
檜垣 昇三
1
,
立石 昭夫
1
,
阿部 哲士
1
,
中野 裕貴
1
,
小川 和彦
1
Shozo Higaki
1
1帝京大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
osteosarcoma
,
骨肉腫
,
hyperthermic regional perfusion
,
温熱局所灌流
,
local chemotherapeutic effects
,
局所効果
,
reduction of surgical margin
,
切除辺縁縮小
Keyword:
osteosarcoma
,
骨肉腫
,
hyperthermic regional perfusion
,
温熱局所灌流
,
local chemotherapeutic effects
,
局所効果
,
reduction of surgical margin
,
切除辺縁縮小
pp.55-61
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908308
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抄録:膝関節周辺の骨肉腫に対して温熱局所灌流術を施行し,その化学療法の局所効果と手術法について検討した.対象症例は膝関節周辺の骨肉腫21例で,stage IIB,15例でstage IIIは6例であった.手術方法は切断術3例,広範切除術8例,辺縁切除術6例,準切除術4例であった,温熱局所灌流を行った症例の5年生存率は54%であったが,stage IIIの症例を除いたstage II Bの症例の5年生存率は62%であった.局所治癒率を手術方法で比較すると,再発は広範切除術8例中1例,準切除術3例中1例で,辺縁切除術6例には再発を認めていない.これを術前化学療法の効果判定で見るとgrade 0では3例中2例に再発を認めたが,grade 1以上の局所効果の得られている症例では再発を認めていない.骨肉腫の切除術の原則は,広範切除縁の確保が最も重要で,局所再発が予後に影響を与えると考えられてきた.しかし,われわれの結果からは手術辺縁よりむしろ温熱局所灌流を含めた術前化学療法の局所効果の方が局所治癒には重要であることが示された.
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