若年性ポリポーシス症候群

Juvenile polyposis syndrome

はじめに

　若年性ポリポーシス症候群（juvenile polyposis syndrome：JPS）は全消化管に過誤腫性ポリープである若年性ポリープが多発する希少疾患である。一部の患者では小児期に消化管病変を発症し，成人期まで継続的な医療を要する慢性疾患で，時に重篤な合併症を有し患者の生活の質が著しく低下する。本邦において，国内初となる診療ガイドラインが2020年に公開された^1）。本稿では，同診療ガイドラインにもとづいてJPSの各論を概説し，当科で実際に診療したJPS例の内視鏡画像や病理組織学所見を供覧する。