Japanese
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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅳ. びまん性病変
2. ポリポーシス
胃限局性若年性ポリポーシス
Juvenile polyposis syndrome (localized to the stomach)
鈴木 信之
1
,
上山 浩也
1
,
永原 章仁
1
Nobuyuki SUZUKI
1
,
Hiroya UEYAMA
1
,
Akihito NAGAHARA
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科
キーワード:
若年性ポリポーシス症候群
,
胃限局性
,
癌化
Keyword:
若年性ポリポーシス症候群
,
胃限局性
,
癌化
pp.290-291
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000457
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疾患の概要
若年性ポリポーシス症候群(juvenile polyposis syndrome:JPS)は,過誤腫に分類される若年性ポリープ(juvenile polyp:JP)が消化管に多発する稀な疾患である。JPの発生部位で胃限局型(36.3%),大腸限局型(36.3%),全消化管型(27.4%)に分類され1),胃限局型JPSは胃のみにJPを認め,その他の消化管にはJPを認めないものと定義されている。本邦では欧米と比較して胃限局型JPSが多い傾向にある。また,過誤腫性ポリープから腫瘍化する頻度が高く,本邦の胃限局型JPSでは46.7%が癌化したという報告もある2)。JPSの約75%は常染色体優性(顕性)遺伝形式を示し,約25%は家族歴のない弧発例である3)。また,SMAD4遺伝子あるいはBMPR1A遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントが原因とされているが,その同定率は60%程度とされている4)。
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