Japanese
English
増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
疾患
全消化管
若年性ポリポーシス症候群
juvenile polyposis syndrome
川崎 啓祐
1
,
鳥巣 剛弘
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
発赤調
,
白苔
,
表面は平滑
,
分葉状
,
絨毛状および浮腫状で光沢を持つ
,
鍾乳洞の石柱様外観
Keyword:
発赤調
,
白苔
,
表面は平滑
,
分葉状
,
絨毛状および浮腫状で光沢を持つ
,
鍾乳洞の石柱様外観
pp.667
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202844
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若年性ポリポーシス症候群(juvenile polyposis syndrome ; JPS)は過誤腫性ポリープである若年性ポリープ(juvenile polyp ; JP)が消化管に多発する疾患で,その約3/4は常染色体顕性(優性)遺伝形式を示すが,約1/4は孤発例である.主な原因遺伝子はともにTGFβ(transforming growth factor β)ファミリーに属し細胞の増殖やアポトーシスを制御する腫瘍抑制遺伝子であるSMAD4(遺伝子座は18q21.1)とBMPR1A(遺伝子座は10q22.3)で,両者合わせて陽性率は60%程度である1).SMAD4変異例は高度な胃病変を呈し,2割程度に遺伝性出血性毛細血管拡張症を合併する.その他JPSの原因遺伝子かどうかは明らかではないが,EndoglinやPTENの変異例もある.
ポリープは数個〜300個で,大腸,胃,小腸の順に多く,症状としてはポリープによる出血,重積,蛋白漏出性胃腸症以外に先天奇形(精神運動発達遅延,心血管奇形,停留睾丸など)の合併もみられる.また,消化器癌(胃癌,大腸癌,小腸癌,膵癌)発症の高リスク群でもある.①大腸に5個以上のJPが認められる,②消化管の2臓器以上に複数のJPが認められる,③家族歴を有しかつJPが認められる,④胃に10個以上のJPが認められる,のいずれかを満たせばJPSと診断される2).
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