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特集 膵癌の早期発見・早期診断を目指して
[各論]
膵癌早期診断を目的とした膵液細胞診の現況と課題
Current status and challenges of pancreatic juice cytology for the early diagnosis of pancreatic cancer
羽場 真
1
,
原 和生
1
,
水野 伸匡
1
,
桑原 崇通
1
,
奥野 のぞみ
1
,
福井 淑崇
1
,
浦田 美菜子
1
,
近藤 高
1
,
山本 嘉太郎
1
,
細田 和貴
2
Shin Haba
1
,
Kazuo Hara
1
,
Nobumasa Mizuno
1
,
Takamichi Kuwahara
1
,
Nozomi Okuno
1
,
Toshitaka Fukui
1
,
Minako Urata
1
,
Takashi Kondo
1
,
Yoshitaro Yamamoto
1
,
Waki Hosoda
2
1愛知県がんセンター消化器内科部
2愛知県がんセンター遺伝子病理診断部
キーワード:
膵管造影
,
膵液細胞診
,
膵上皮内癌
Keyword:
膵管造影
,
膵液細胞診
,
膵上皮内癌
pp.721-725
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001439
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はじめに
膵癌の約50%は診断時にすでに遠隔転移を伴っているとされ,遠隔転移を伴う膵癌患者の5年生存率は3%程度と報告される1),予後不良な癌の代表である。しかし,膵癌のうちUICC Stage 0である上皮内癌は5年生存率が85%と非常に良好な予後が見込まれている2)。このため,膵癌を早期に診断し治療につなげることが,膵癌全体の予後を改善するために重要と考えられる。膵癌はpancreatic intraepithelial neoplasm(PanIN)という前癌病変を経て段階的に進行すると考えられており3),前癌病変から転移能を有さない早期癌の段階で膵癌を早期に発見し治療に導くことこそが,膵癌の予後改善につながる。
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