Japanese
English
特集 膵癌の早期発見・早期診断を目指して
[各論]
膵癌早期診断のためのEUSによる画像診断
EUS findings for the early diagnosis of pancreatic cancer
三長 孝輔
1
,
原 茜
1
,
大塚 康生
1
,
大本 俊介
1
,
鎌田 研
1
,
竹中 完
1
,
工藤 正俊
1
,
筑後 孝章
2
Kosuke Minaga
1
,
Akane Hara
1
,
Yasuo Otsuka
1
,
Shunsuke Omoto
1
,
Ken Kamata
1
,
Mamoru Takenaka
1
,
Masatoshi Kudo
1
,
Takaaki Chikugo
2
1近畿大学医学部消化器内科
2近畿大学医学部病理学教室
キーワード:
EUS
,
微小膵癌
,
早期診断
Keyword:
EUS
,
微小膵癌
,
早期診断
pp.726-731
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001440
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はじめに
膵癌は最も予後不良な固形癌であり,進行した状態で診断されることが多く,過半数の患者が診断後1年以内に死亡する。近年,日本でも罹患数が増加しており,死亡数は増加の一途をたどっている。膵癌は腫瘍径が2cm以下のTS1膵癌で発見されてもその予後はよいとはいいがたく,予後向上には長期予後が見込める上皮内癌(5年生存率86%)や腫瘍径10mm以下の微小浸潤癌(5年生存率80%)の状態でいかに的確に診断できるかが最重要課題といえる1)。しかしながら,腫瘍径が1cm以下の早期の膵癌症例では症状の出現に乏しいため発見は困難であり,早期診断のためには,どのような対象にどのような画像検査を含む精査を行うのかを考える必要がある。膵癌の画像診断では,腹部US,造影CT,腹部MRI,EUSなどが用いられる。これらの診断モダリティのなかでもEUSは管腔内走査をすることにより,超音波端子を膵臓に近接し固定することができるため,他のモダリティと比較し空間分解能が非常に高く,膵癌の早期発見において欠かすことのできない画像診断検査である。本稿では,膵癌の早期診断においてEUSが果たしている役割,早期診断の精度や限界について概説する。
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