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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
自己免疫疾患・膠原病・血管炎など
非特異性多発性小腸潰瘍症
Chronic enteropathy associated with SLCO2A1 gene (CEAS)
梁井 俊一
1
,
栁川 直樹
2
,
松本 主之
1
Shunichi Yanai
1
,
Naoki Yanagawa
2
,
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科分野
2岩手医科大学病理診断学講座
キーワード:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1
,
肥厚性皮膚骨膜症
Keyword:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1
,
肥厚性皮膚骨膜症
pp.600-601
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001380
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疾患の概要
非特異性多発性小腸潰瘍症は岡部ら1)によって提唱された小腸疾患概念である。幼・若年期の女性に好発し,慢性の鉄欠乏性貧血と低蛋白血症を主徴とする小腸潰瘍症であり,終末回腸以外の回腸に輪走あるいは斜走する帯状の多発性難治性潰瘍が発生する。血族結婚や同胞発症など常染色体潜性の遺伝形式を示すことを契機に,原因遺伝子としてプロスタグランジン・トランスポーターを規定するSLCO2A1遺伝子が同定された2, 3)。このことから,本症の名称はchronic enteropathy associated with SLCO2A1 gene(CEAS)となっている。SLCO2A1遺伝子は肥厚性皮膚骨膜症の原因遺伝子でもあり,CEASの男性症例では太鼓ばち状指,長管骨の骨膜性骨肥厚,皮膚肥厚の症状が認められることがある。
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