TOPICS ─文献紹介〈炎症関連〉
非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated withSLCO2A1 gene;CEAS)の臨床的特徴〔Review from ─ J Gastroenterol 2018;53:907-915〕
梅野 淳嗣
1
,
江﨑 幹宏
1
,
平野 敦士
1
,
冬野 雄太
1
,
松本 主之
2
1九州大学大学院病態機能内科学
2岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1 遺伝子
,
プロスタグランジン輸送体
,
肥厚性皮膚骨膜症
,
慢性出血性小腸潰瘍症
Keyword:
非特異性多発性小腸潰瘍症
,
SLCO2A1 遺伝子
,
プロスタグランジン輸送体
,
肥厚性皮膚骨膜症
,
慢性出血性小腸潰瘍症
pp.285-288
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000346
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非特異性多発性小腸潰瘍症は,病理学的に特異的な炎症所見を伴わない比較的浅い潰瘍が小腸に多発するまれな疾患である1),2).近年われわれは,エクソーム解析の結果,プロスタグランジン輸送体をコードするSLCO2A1 遺伝子の変異が本症の原因であることを明らかにし,“chronic enteropathyassociated with SLCO2A1 gene”(CEAS)という新規呼称を提唱した3).同遺伝子は,ばち指,皮膚肥厚と骨膜症を3 主徴とする肥厚性皮膚骨膜症の原因遺伝子としても知られており,一部のCEAS 患者には同様の消化管外徴候を認めることが報告されている4).今回,本症の臨床的特徴を明らかにすることを目的として全国調査を行った.
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