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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[診断]
【Topics】超拡大内視鏡によるSNADETの観察
Endocytoscopic observation of SNADET
熊谷 洋一
1
,
東 守洋
2
,
石畝 亨
1
,
松山 貴俊
1
,
石田 秀行
1
Youichi Kumagai
1
,
Morihiro Higashi
2
,
Toru Ishiguro
1
,
Takatoshi Matsuyama
1
,
Hideyuki Ishida
1
1埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
2埼玉医科大学総合医療センター病理科
キーワード:
endocytoscopy system
,
超拡大観察
,
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
Keyword:
endocytoscopy system
,
超拡大観察
,
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
pp.740-742
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000760
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はじめに
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(superficial non- ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)は,稀な疾患であり全消化管腫瘍の1~2%と報告されている。さらに癌ともなると全消化管癌の0.3%程度とされる。しかし,近年内視鏡検診が普及したことによりSNADETに遭遇する機会が増えてきた。SNADETの内視鏡診断の問題として質的診断の困難さ,すなわち腺腫と癌を鑑別することが難しいことがあげられる。白色光観察では腫瘍径,色調が鑑別に有用とされ,narrow band imaging(NBI)拡大,クリスタルバイオレット併用拡大内視鏡も癌,非癌の鑑別に有用と報告されている。しかし,症例数も少ないため単施設からの報告が多く,見解は定まっていない。また,多くの表在性十二指腸癌は腺腫内癌であり癌の部分を正確に狙撃精検することは難しく,生検組織診断の正診率は70%程度とされる。また,生検数を増やせば線維化により内視鏡治療が困難になることが知られている。よって,より精密な細胞レベルの内視鏡診断が可能であれば,SNADETの治療法の選択に有用な情報をもたらすものと考える。
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