Japanese
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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[診断]
画像強調拡大観察を用いたSNADETの評価
The evaluation of SNADET with magnifying image-enhanced endoscopy
中山 敦史
1
,
加藤 元彦
2
,
山ノ井 一裕
3
,
矢作 直久
1
Atsushi Nakayama
1
,
Motohiko Kato
2
,
Kazuhiro Yamanoi
3
,
Naohisa Yahagi
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
2慶應義塾大学病院内視鏡センター
3慶應義塾大学病院内視鏡センター病理診断科
キーワード:
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)
,
拡大画像強調内視鏡(IEE-ME)
,
粘液形質
Keyword:
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)
,
拡大画像強調内視鏡(IEE-ME)
,
粘液形質
pp.734-739
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000759
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はじめに
近年の内視鏡機器技術の目覚ましい向上,内視鏡検診の導入や人間ドックなどに伴う内視鏡検査の機会増加に伴って,十二指腸病変に遭遇することが多くなってきている。十二指腸にはさまざまな病変が生じるためその内視鏡診断は複雑である。なかでも表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)については内視鏡治療の適応となりうる病変であり,その存在診断と質的診断が重要である。すなわち,まずはじめに十二指腸病変を見つけたらBrunner腺過形成やその関連腫瘍,神経内分泌腫瘍などといった肉眼所見で鑑別可能な病変を除き,SNADETと非腫瘍性病変(non-neoplastic lesion:NNL)を鑑別することが必須である。そして,SNADETの存在診断のあとには続いて質的診断を行う。SNADETはその発生母地の違いによって粘液形質が異なり,生物学的悪性度の違いを反映しているといわれている1)。そのことが癌と腺腫の内視鏡鑑別診断を難しくしている可能性があり,われわれはSNADETにおいては粘液形質を想定した質的診断を加味することが重要であると考えている。
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