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特集 胃癌内視鏡診断の最新ムーブメント―H. pylori陰性胃癌のすべて
[各論 H. pylori未感染胃癌]
《Column》EBウイルス関連胃癌
EB virus-associated gastric cancer
浦牛原 幸治
1
,
菊地 翁輝
1
,
大野 一将
1
,
小林 正佳
1
,
細川 貴範
1
,
武田 雄一
1
Koji URAUSHIHARA
1
,
Ouki KIKUCHI
1
,
Kazumasa OHNO
1
,
Masayoshi KOBAYASHI
1
,
Takanori HOSOKAWA
1
,
Yuichi TAKEDA
1
1公立昭和病院消化器内科
キーワード:
EBウイルス関連胃癌
,
Helicobacter pylori未感染
,
リンパ球浸潤癌(carcinoma with lymphoid stroma)
Keyword:
EBウイルス関連胃癌
,
Helicobacter pylori未感染
,
リンパ球浸潤癌(carcinoma with lymphoid stroma)
pp.274-277
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000055
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EB(Epstein-Barr)ウイルス関連胃癌(EB virus associated gastric cancer:EBVaGC)とは
EBVaGCとは,EB virus(EBV)に感染した胃上皮細胞がモノクローナルに増殖して発生した癌と定義される1, 2)。EBVはBリンパ球へ感染して細胞の不死化を誘導し,宿主の免役抑制下ではリンパ増殖性疾患を発症することが知られている。EBVが胃上皮へ感染し胃上皮細胞が不死化,腫瘍化したものがEBVaGCと考えられる。典型的な病理組織像としてリンパ球浸潤癌(carcinoma with lymphoid stroma:CLS)像がよく知られるが,この像はEBVaGCに対する宿主免疫防御反応像と考えられる。EBV感染細胞は細胞傷害性T細胞の標的となり淘汰されやすく,EBVaGCが粘膜下層(SM)浸潤癌でもリンパ節転移率が低くEBV陰性胃癌に比べ予後良好となる3)一因と考えられる。逆にEBVaGCはDNAメチル化やPD-L1(プログラム細胞死1リガンド1),PD-L2(プログラム細胞死1リガンド2)の高発現などにより腫瘍免疫を回避し存続を維持していると考えられ,免疫チェックポイント阻害薬の有効性が期待される。
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