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特集 胃癌内視鏡診断の最新ムーブメント―H. pylori陰性胃癌のすべて
[各論 H. pylori未感染胃癌]
H. pylori未感染胃に認められる食道胃接合部・胃噴門部領域の腺癌
Adenocarcinoma of esophagogastric junction and gastric cardia rising from H. pylori-uninfected mucosa
吉村 大輔
1
,
吉村 理江
2
,
加藤 誠也
3
,
原田 直彦
1
,
水谷 孝弘
4
,
落合 利彰
4
Daisuke Yoshimura
1
,
Rie Yoshimura
2
,
Seiya Kato
3
,
Naohiko Harada
1
,
Takahiro Mizutani
4
,
Toshiaki Ochiai
4
1国立病院機構九州医療センター消化器内科・光学診療部
2人間ドックセンターウェルネス
3福岡県済生会福岡総合病院病理診断科
4福岡県済生会福岡総合病院消化器内科
キーワード:
食道胃接合部腺癌
,
胃噴門部腺癌
,
酸関連疾患
Keyword:
食道胃接合部腺癌
,
胃噴門部腺癌
,
酸関連疾患
pp.266-273
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000054
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はじめに
近年のHelicobacter pylori(Hp)の感染率低下1)を背景に,検診を中心とした上部消化管内視鏡スクリーニング検査(スクリーニング内視鏡)におけるHp未感染者の割合も増加し,Hp未感染胃癌の報告が増加している2~5)。これまで筆者らはHp未感染胃癌が,少なくとも①胃噴門部腺癌ないし食道胃接合部腺癌,②胃底腺領域に発生する胃型形質を有する低異型度(超高分化型)腺癌,③胃底腺と幽門腺の境界領域に好発する印環細胞癌,④幽門腺領域に好発する高分化型腺癌に分類しうる可能性を報告した4~6)。Hp株の毒性およびその感染率が比較的低く肥満者の多い米国で胃癌がcardia cancerとnon-cardia cancerに分類されるように,胃噴門部腺癌ならびに食道胃接合部腺癌,そしてBarrett食道腺癌は酸逆流による胸やけ症状がリスク因子であることが報告されている7)。
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