特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
3 .EB ウイルス関連胃癌
浦牛原 幸治
1
,
大野 一将
1
,
小林 正佳
1
,
細川 貴範
1
,
川口 淳
1
,
武田 雄一
1
1公立昭和病院消化器内科
キーワード:
EB ウイルス
,
粘膜下腫瘍
,
リンパ球浸潤
,
H. pylori 未感染
,
リンパ節転移
Keyword:
EB ウイルス
,
粘膜下腫瘍
,
リンパ球浸潤
,
H. pylori 未感染
,
リンパ節転移
pp.1487-1495
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001424
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EB ウイルス関連胃癌(EBVaGC)の典型例は粘膜下腫瘍様の形態を呈し,病理学的にはリンパ球浸潤癌を示す.しかし実は通常型胃癌のなかにもEBVaGC が存在し,胃癌の10%弱をも占める.また比較的予後が良く,粘膜下層浸潤例もリンパ節転移率が低く,粘膜下層剝離術(ESD)も治療選択肢として考慮しうる.Programmed death 1‒ligand 1,2(PD‒L1,2)の高発現が報告されており,進行癌には免疫チェックポイント阻害薬が有効とされる.EB ウイルス単独では胃上皮細胞への感染力が弱いことからH. pylori 共感染が必要とされるが,きわめてまれと考えられるH. pylori 未感染胃に発生したEBVaGC 症例を経験し,単施設少数例ではあるが当院でEBVaGC と病理診断されたH. pylori 陽性例と臨床病理学的比較検討を行った.
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