CKD 患者におけるがん化学療法─透析患者を中心に
Column 笑い療法
伊藤 孝史
1
1島根大学医学部附属病院腎臓内科
キーワード:
笑い
,
NK細胞
Keyword:
笑い
,
NK細胞
pp.983-984
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000969
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「笑い」は日常生活においてはありふれたものであり,日本では「笑う門には福来たる」ということわざがある.「いつも笑顔が絶えない家庭・人には,幸運が訪れる」という意味である.また,笑いが人体に対して良い影響を及ぼしていることはよく知られているが,最初に笑いの効果を示したのは,笑いの医療のパイオニア,ノーマン・カズンズである.彼は強直性脊椎炎を笑いとビタミンC の投与で克服し,笑いのもつ奇跡の力を自らの治療体験記としてまとめて報告した.
健康人でも1 日に3,000~5,000 個のがん細胞が発生している.しかし,誰もがすぐにがんを発症しないのは,NK(natural killer)細胞がすべてのがんを認識し,攻撃できるからである.伊丹仁朗は,自院のがん患者18 名に約3 時間漫才や喜劇を見て大笑いをさせ,その前後でNK 細胞の活性を測定した.その結果,平均レベル以下であった患者のNK 細胞の活性は軒並み上昇し,CD4/8 比も大半が正常範囲内に入ったと報告した.Berk らは,60 分のユーモアのビデオを鑑賞した際にNK 細胞の活性が上がることを報告した.
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