特集 十二指腸はこう診る
総論 十二指腸の正常組織構築と十二指腸病変の病理
石田 和之
1
,
永島 一憲
,
中里 宜正
,
大日方 謙介
,
大和田 温子
,
金子 有子
,
郷田 憲一
,
入澤 篤志
,
菅井 有
1獨協医科大学 病理診断学講座
キーワード:
十二指腸腺
,
過形成
,
十二指腸疾患
,
十二指腸腫瘍
,
腺癌
,
腺腫
,
総胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
リンパ管腫
,
胃上皮化生
,
異所性胃粘膜
Keyword:
Common Bile Duct Neoplasms
,
Brunner Glands
,
Ampulla of Vater
,
Duodenal Diseases
,
Duodenal Neoplasms
,
Hyperplasia
,
Lymphangioma
,
Adenocarcinoma
,
Adenoma
pp.941-952
発行日 2020年7月25日
Published Date 2020/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020388228
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十二指腸の正常組織構築と十二指腸病変の病理組織像を解説する。十二指腸非乳頭部病変と乳頭部病変は、異なる疾患群として理解する必要がある。非乳頭部腺腫および腺癌は十二指腸に発生する限局性腫瘍性病変で、いずれも腸型と胃型に分類され、それぞれ臨床病理学的、分子生物学的特徴を有している。非乳頭部の腫瘍様病変では、異所性胃粘膜と胃上皮化生が胃型腫瘍の発生母地と考えられており、Brunner腺過形成および過誤腫の概念は整理する必要がある。一方、乳頭部にもさまざまな病変が発生し、特に腺癌は小腸のなかで乳頭部に最も好発する。乳頭部腺癌は腸型と胆膵型に分類されるが、多彩な組織像から混合型の管状腺癌と分類せざるをえない例が多く認められる。乳頭部腫瘍の病理診断は、肉眼所見と組織所見にもとづいて腫瘍の発生母地や分化方向を考慮し行われるべきであり、適切な臨床的取り扱いにつなげることが重要である。
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