十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
十二指腸乳頭部腫瘍に対する診療 とくに内視鏡治療の適応について
山本 夏代
1
,
伊佐山 浩通
,
中井 陽介
,
多田 稔
,
小池 和彦
1東京大学 消化器内科
キーワード:
十二指腸鏡法
,
十二指腸疾患
,
出血
,
術後管理
,
腫瘍侵入性
,
リンパ行性転移
,
膵炎
,
腺腫
,
総胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
腸穿孔
Keyword:
Adenoma
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Diseases
,
Common Bile Duct Neoplasms
,
Hemorrhage
,
Lymphatic Metastasis
,
Intestinal Perforation
,
Pancreatitis
,
Neoplasm Invasiveness
,
Postoperative Care
,
Ampulla of Vater
pp.1561-1566
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053655
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十二指腸乳頭部腫瘍は十二指腸乳頭部に発生する比較的まれな腫瘍である.治療適応についてのコンセンサスはないが,adenoma carcinoma sequenceの経路が提唱されており,腺腫の治療が許容されている.治療の第一選択は外科的切除であったが,近年,局所で根治可能なものは内視鏡的乳頭切除が第一選択とされるようになってきた.進展範囲は超音波内視鏡や管腔内超音波が有用であると報告されている.通常スネアによる内視鏡切除を行い,膵炎予防のために膵管ステントを留置する場合が多い.偶発症頻度は高く(10-20%),とくに膵炎や出血が多い.十分な検討と説明と同意をもって行われるべき治療である.
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