特集 表在性十二指腸腫瘍の新展開
表在性十二指腸病変の病理学的な特徴と遺伝子変化
松原 亜季子
1
,
九嶋 亮治
1滋賀医科大学附属病院 検査部
キーワード:
十二指腸腺
,
カルチノイド腫瘍
,
過形成
,
化生
,
十二指腸疾患
,
十二指腸腫瘍
,
腺癌
,
腺腫
,
変異
,
異所性胃粘膜
,
幽門腺
,
消化管内分泌細胞癌
,
KRAS Protein
,
GNAS Protein
Keyword:
Brunner Glands
,
Carcinoid Tumor
,
Duodenal Diseases
,
Duodenal Neoplasms
,
Hyperplasia
,
Gastric Mucosa
,
Adenocarcinoma
,
Adenoma
,
Metaplasia
,
Mutation
,
GNAS Protein, Human
,
KRAS Protein, Human
pp.984-991
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019334134
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十二指腸は胃と小腸をつなぐ管腔臓器で、胃と小腸/大腸の両方の性質をもつ。このため良・悪性を問わず胃型細胞由来と腸型細胞由来の両方の病変が発生する。発生する病変はBrunner腺過形成/過誤腫、胃腺窩上皮化生と異所性胃粘膜、腺腫、腺癌、神経内分泌腫瘍が主である。従来は非腫瘍性病変とされたBrunner腺過形成や胃腺窩上皮化生、異所性胃粘膜から発生する悪性腫瘍の報告が続き、さらに一部では遺伝子変異まで指摘されるようになった。十二指腸腺腫は比較的稀な病変とされており、腺癌はさらに稀とされる。腺腫や腺癌でみられる遺伝子変異の一部は腺腫や胃腺窩上皮化生・異所性胃粘膜の遺伝子変異と共通している。内分泌細胞腫瘍に関して、新しいWHO分類ではNET(カルチノイド腫瘍)はG1~G3、他にNEC(内分泌細胞癌)とMiNENに分類される。
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