発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012360645
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62歳女。2005年、検診で十二指腸粘膜下腫瘍を指摘された。超音波内視鏡で幽門直下の十二指腸球部に広基性の粘膜下腫瘍を認め、Brunner腺腫疑いと診断された。以後、経過観察されていたが、2010年増大傾向を認め、悪性疾患が否定できず、切除方針となった。CTで周囲への浸潤はなく、リンパ節や他臓器への転移も認めなかった。確定診断と治療を兼ねて腹腔鏡下に切除する方針とし、病理結果が悪性の場合は二期的に追加切除を行う予定とした。術中、病変は鉗子操作により十二指腸球部に可動性良好な腫瘤として確認され、超音波凝固切開装置で切除した。病理組織学的所見で、粘膜固有層から粘膜下層にかけてBrunner腺の増生を認めた。Ki-67染色で陽性細胞はほとんどみられず、過形成と診断した。術後経過は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012