十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
家族性大腸腺腫症に伴う十二指腸病変の取り扱い
前畠 裕司
1
,
江崎 幹宏
,
森山 智彦
,
中村 昌太郎
,
松本 主之
1九州大学 大学院病態機能内科学
キーワード:
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
腫瘍進行度
,
腺腫
,
総胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
変異
,
APC遺伝子
,
治療成績
Keyword:
Adenoma
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Neoplasms
,
Common Bile Duct Neoplasms
,
Neoplasm Staging
,
Mutation
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Ampulla of Vater
,
Genes, APC
,
Treatment Outcome
pp.1581-1586
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053658
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家族性大腸腺腫症(FAP)では,十二指腸病変が高率に出現する.同病変は乳頭部腺腫と十二指腸腺腫症に大別され,乳頭部腺腫は乳頭部の白色調・結節状変化,十二指腸腺腫症は乳頭部近傍に多発する小隆起,陥凹性病変,結節集簇様病変として観察される.また,欧米の報告や自験例では,APC遺伝子近位側の変異と十二指腸腺腫症との関連を認めている.本症患者は十二指腸癌の高危険群と見なされているが,報告例や自験例では大腸病変と比べて十二指腸病変の進行は緩徐であり,癌化も低率であると考えられる.したがって,われわれは基本的に本症の十二指腸病変に対しては予防的十二指腸切除を施行せず,内視鏡的に経過観察を行っている.
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