特集 食道胃接合部の新展開
食道胃接合部の腫瘍 表在型食道胃接合部癌の転移リスクとは
庄司 絢香
1
,
石原 立
,
松浦 倫子
,
七條 智聖
,
前川 聡
,
金坂 卓
,
山本 幸子
,
竹内 洋司
,
東野 晃治
,
上堂 文也
1大阪府立病院機構大阪国際がんセンター 消化管内科
キーワード:
胃腫瘍
,
危険因子
,
腫瘍侵入性
,
食道胃接合部
,
食道腫瘍
,
腺癌
,
発生率
,
噴門
,
扁平上皮癌
,
血管腫瘍
,
診療ガイドライン
,
リンパ管腫瘍
,
未分化癌
Keyword:
Vascular Neoplasms
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Cardia
,
Carcinoma
,
Stomach Neoplasms
,
Esophagogastric Junction
,
Adenocarcinoma
,
Lymphatic Vessel Tumors
,
Incidence
,
Practice Guidelines as Topic
,
Esophageal Neoplasms
,
Neoplasm Invasiveness
,
Risk Factors
pp.758-764
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385460
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食道胃接合部癌には噴門部胃癌、食道扁平上皮癌、食道腺癌などのさまざまな癌が含まれ、転移のリスクもそれぞれに異なる可能性が高い。内視鏡治療の際にはおのおののガイドラインも参考にし、病理結果から追加治療の必要性を検討する必要がある。当院を含む多施設共同研究での食道腺癌の転移リスク因子は、脈管侵襲、低分化癌成分の混在、病変径(>30mm)という結果であり、上記のリスク因子をもたずかつ深達度SM 500μmまでの症例は、内視鏡のみで治療が完遂できる可能性が示唆された。また、過去の報告から胃癌と食道腺癌を比較すると、それぞれの転移率はM癌で2.2%、9.6%、SM癌で18.9%、25.5%と、食道腺癌でより高かった。ともに脈管侵襲陽性の症例で転移率が高いが、脈管侵襲陽性の割合は胃癌ではM癌0.6%、SM癌34.2%に対し、食道腺癌ではM癌7.7%、SM癌58.8%とより高く、食道腺癌のほうが早期から転移しやすいことの一因と考えられる。
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