特集 食道胃接合部の新展開
食道胃接合部病変の鑑別診断
有馬 美和子
1
,
都宮 美華
,
剛崎 有加
1埼玉県立がんセンター 内視鏡科
キーワード:
Barrett食道
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
色
,
画像強調
,
食道胃接合部
,
食道炎-逆流性
,
食道鏡法
,
食道疾患
,
食道腫瘍
,
食道裂孔ヘルニア
,
鑑別診断
,
腺癌
,
噴門
,
食道炎-好酸球性
,
狭帯域光観察
Keyword:
Cardia
,
Barrett Esophagus
,
Diagnosis, Differential
,
Stomach Neoplasms
,
Esophageal Diseases
,
Esophagitis, Peptic
,
Esophagogastric Junction
,
Esophagoscopy
,
Image Enhancement
,
Hernia, Hiatal
,
Gastroscopy
,
Color
,
Adenocarcinoma
,
Esophageal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
,
Eosinophilic Esophagitis
pp.654-663
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020385447
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食道胃接合部病変の内視鏡観察には画像強調法(IEE)を併用して、扁平円柱上皮接合部(SCJ)と食道胃粘膜接合部(EGJ)の位置を確認する必要がある。逆流性食道炎の重症度判定には改訂ロサンゼルス分類が使われているが、活動期の粘膜傷害か治癒期か瘢痕期か、扁平上皮か円柱上皮かの判断は、IEE併用内視鏡を用いて粘膜構造や血管像を観察して判断する。好酸球性食道炎との鑑別には縦走溝に沿う白斑、輪状溝などの内視鏡所見をとらえることが有用である。接合部早期癌は、発赤や凹凸、隆起やびらんに着目して病変を拾い上げる。接合部癌の由来は、扁平上皮島や柵状血管などの食道由来の根拠となる所見と病変との位置関係から診断する。接合部ポリープは癌との判別が難しい場合がある。炎症の影響を受けていると内視鏡も病理も判断が難しい。繰り返し生検しても形状変化してわかりにくくなるので、生活習慣の改善やプロトンポンプ阻害薬を投与するなどして、形態変化を観察することも大切である。
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