発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003256664
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接合部癌を論ずるにあたって,食道胃接合部の正常な組織構築を理解する必要がある.食道癌手術例の解析結果から,接合部は胃噴門腺ならびに食道扁平上皮下に存在する食道噴門腺からなり,その範囲は20mm前後である.又,食道噴門腺はBarrett上皮(特にSSBE)ではそれを有さないものに比べて有意に長く存在する.更にこの食道噴門腺は,ときに円柱上皮島として食道表面に露出し,細胞増殖活性を示す.SSBEでは腸上皮化生を示さない噴門腺粘膜からなるものが多く(70%),従来から示唆されてきた特殊円柱上皮(不完全型腸上皮化生)は必ずしもBarrett上皮の指標とはならない
©Nankodo Co., Ltd., 2003