症例
特発性分節性大網梗塞を左側に発症した幼児例
笹本 光紀
1
,
二瓶 浩一
,
林 歩実
,
白井 陽子
,
中村 浩章
,
那須野 聖人
,
清水 教一
1東邦大学医療センター大橋病院 小児科
キーワード:
急性腹症
,
梗塞
,
超音波診断
,
腹膜疾患
,
網
,
漏斗胸
,
腹部CT
Keyword:
Ultrasonography
,
Infarction
,
Omentum
,
Abdomen, Acute
,
Funnel Chest
,
Peritoneal Diseases
pp.907-910
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2019296509
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は5歳男児で、夕食中に突然の左下腹部痛が出現し、同日夜間当院救急外来を受診した。グリセリン浣腸を施行し、症状が軽減したため帰宅した。しかし、翌日も腹痛が持続し微熱も出現したため再度受診した。腹部CT検査では、胃下方の左腹壁に接して索状の高吸収域を伴う限局した腫瘤と周囲の脂肪織濃度上昇を認め、渦を巻いた脈管構造などの大網捻転所見はなく、大綱梗塞に矛盾しない所見であった。手術の既往もなく、捻転を疑う所見もなかったことから特発性分節性大網梗塞と考え、輸液および抗菌薬投与による保存的加療を開始した。その後の経過は良好で、発症4日目より腹痛は改善し、発症7日目に炎症反応が正常化し退院した。発症14日目に施行した腹部超音波検査で腫瘤は縮小しており、2ヵ月後の腹部超音波検査および8ヵ月後の腹部MRI検査で腫瘤の消失を確認した。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.