発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194112
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非閉塞性腸管梗塞症の2例を経験した.症例1(72歳男性).腹痛で受診,重症感染症状態で汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.結腸粘膜全体の壊死を認め,左側結腸切徐,人工肛門造設を行った.病理所見で虚血による壊死が疑われた.消化管出血を繰り返し,再手術で出血部位の空腸部分切除で出血は治まったが,初回手術後第32病日に多臓器不全で死亡した.症例2(64歳女性).約10ヵ月前胃癌で幽門側胃切除術を施行し,今回,発熱および腹痛,嘔吐で受診となった.重症感染症による急性腎不全,DICの所見であり,CTで胃の拡張と腹水を認め,穿刺で腹水は血性で混濁し,汎発性腹膜炎の診断で緊急開腹術を施行した.回腸・結腸は壊死状態のため切除し,空腸瘻を作製した.しかし,5日後に再燃したため再開腹し,残胃が壊死状態であったことより摘出して食道断端は盲端とした.術後経過7ヵ月の現在,生存中である.なお,病理所見は虚血性回・結腸炎であった
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