特集 腹部の最新画像情報2016
症例
大網放線菌症の1例
苛原 早保
1
,
阿部 考志
,
河野 奈緒子
,
川崎 幸子
,
竹治 励
,
金只 賢治
,
鈴木 貴久
,
西平 友彦
,
久保 敦司
,
柴峠 光成
,
荻野 哲朗
,
原田 雅史
1徳島大学病院 放射線科
キーワード:
MRI
,
腫瘤
,
腹膜疾患
,
放線菌症
,
網
,
腹部膿瘍
,
腹部CT
Keyword:
Actinomycosis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Peritoneal Diseases
,
Omentum
,
Abdominal Abscess
pp.795-797
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319475
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59歳女。左下腹部痛を主訴とした。1ヵ月前に腸炎の疑いで加療されたが、その後に症状が再燃し、腹部エコーで下行結腸に近接する腫瘤を指摘された。紹介受診時には白血球数の増加とCRP上昇を示し、腹部CTでは前腹壁に接して境界不明瞭で厚い壁と内部に脂肪を伴う腫瘤性病変(4cm大)を認めた。腹部MRI にて腫瘤の壁はT2強調像で低信号を主体とする不均一な信号を示し、CT同様、病変内に脂肪を含む一方、周囲に浮腫性変化がみられた。画像所見より炎症性腫瘤を考え、脂肪を含む腫瘍性病変を鑑別に挙げて腹腔内腫瘤摘出術を行ったところ、腫瘤には肉芽組織、リンパ球浸潤と膿瘍形成が観察された。また、膿瘍内にはPAS反応陽性、Gram陽性、Grocott陽性の放射状菌体を多数含む球状の好酸性顆粒状物を認め、放線菌症と診断した。
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