特集 蕁麻疹の最新知見
Ⅱ.蕁麻疹の統計(性差を含めて)
森桶聡
1
,
平郡真記子
1
,
秀道広
2
Satoshi Morioke
1
,
Makiko Hiragun
1
,
Michihiro Hide
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学教授
pp.904-910
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201607024
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蕁麻疹の頻度や性差,予後は病型の定義や医療施設による患者層の相違により統計情報が異なるため,調査報告を単純に比較することは困難である。我々の調査では,アレルギー性蕁麻疹は全体の数%にすぎなかった。慢性蕁麻疹はやや女性に多い傾向にあるが,小児ではこの傾向は小さかった。慢性蕁麻疹の予後では10%以上の症例で5年以上病勢が持続することが示唆された。病型ごとに頻度や好発年齢,性差などのデータを集積することは患者への説明や難治例の克服にも有用と考えられる。