特集 蕁麻疹の最新知見
Ⅲ.慢性特発性蕁麻疹に対する生物学的製剤治療
千貫祐子
1
,
森田栄伸
2
Yuko Chinuki
1
,
Eishin Morita
2
1島根大学医学部皮膚科学講座講師
2島根大学医学部皮膚科学講座教授
pp.912-920
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201607032
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オマリズマブは気管支喘息の治療薬として開発された世界初のヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤である。主な作用機序としては,血中遊離IgEと結合して複合体を形成することによって,IgEが組織中のマスト細胞および循環血中の好塩基球上の高親和性IgE受容体(FcεRⅠ)に結合することをブロックする。近年,ドイツのMaurerらが,抗ヒスタミン薬の投与でも症状が改善しない慢性特発性蕁麻疹患者について,第3相多施設共同無作為化二重盲検試験を行い,オマリズマブの投与によって蕁麻疹症状が有意に改善したことを報告し,本邦においてもオマリズマブが難治性蕁麻疹の新規治療法として注目されている。