特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
VIII.蕁麻疹の予後
平郡真記子
1
Makiko Hiragun
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
pp.264-271
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302066
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蕁麻疹の予後に関する報告は少なく,未だ不明な点も多い。今までの報告を総合すると,慢性蕁麻疹の治癒率は発症から1年後で25~80%で,5年後にも症状が持続している患者が少なくとも11%以上と考えられる。慢性蕁麻疹の予後に関与する因子としては罹病期間,重症度,年齢,他の蕁麻疹の合併等が挙げられる。その他の蕁麻疹の病型で慢性蕁麻疹よりも治癒が得られにくいものとしては,寒冷蕁麻疹,日光蕁麻疹,血管性浮腫,遅延性圧蕁麻疹がある。近年抗ヒスタミン薬の予防的内服が蕁麻疹のQOLや予後の改善につながるという報告が集積しつつある。