特集 蕁麻疹の最新知見
Ⅰ.蕁麻疹の診断
平郡隆明
1
Takaaki Hiragun
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学准教授
pp.892-902
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201607012
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蕁麻疹は,真皮マスト細胞が何らかの原因で脱顆粒したために生じる限局性の紅斑と浮腫である。皮膚に紅斑と膨疹が出没し,個々の皮疹が24時間以内にあとかたもなく消えてしまうのであれば,多くは蕁麻疹と診断してよい。したがって蕁麻疹の診断そのものが問題になることは少ないが,緊急性の判断と正しい病型診断が重要である。日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドラインでは特発性の蕁麻疹,刺激誘発型の蕁麻疹,血管性浮腫,蕁麻疹関連疾患に大別され,16病型に分類されている。