特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
II.蕁麻疹における凝固異常
森桶聡
1
,
秀道広
2
Satoshi Morioke
1
,
Michihiro Hide
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学 教授
pp.216-222
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302018
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蕁麻疹において,マスト細胞を脱顆粒させる誘因は I 型アレルギー機序,物理的刺激がよく知られており,マスト細胞膜上の高親和性IgE受容体に対する自己抗体が関与する症例もある。近年,慢性蕁麻疹の病態に血液凝固系が関与していることが指摘されている。我々は,血漿中の凝固系マーカーが慢性蕁麻疹の重症度や病勢の評価に有用であることを明らかにした。また,凝固系に作用する薬剤が難治性慢性蕁麻疹の病勢制御のための新たな選択肢として注目されつつある。