特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
序 ~蕁麻疹の病態の点をつなぐ糸~
秀道広
1
Michihiro Hide
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学教授
pp.207-210
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
蕁麻疹では,一人の患者に複数の病型が合併していることが少なくない。また,蕁麻疹の共通病態と考えられるマスト細胞からのヒスタミン遊離だけでは,すべての蕁麻疹の病型と病態は説明できない。さらに,蕁麻疹の研究では,診断,検査,治療などが別々に追求されていることが多い。しかし,それでは蕁麻疹の全体像を把握することは困難であり,日常診療における患者からの問いや求めに応えることはできない。最近,感染,凝固異常,IgEの関与などについて新たな理解が進み,蕁麻疹の個々の病型をつなぐ病態が明らかになりつつある。