特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
IX.機械性蕁麻疹の診断と治療
戸田さゆり
1
,
秀道広
2
Sayuri Toda
1
,
Michihiro Hide
2
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学 教授
pp.272-278
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302074
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機械性蕁麻疹は,機械的刺激により刺激部位に膨疹が出現する蕁麻疹の1型である。軽症例では必ずしも積極的治療の必要はないが,治療に反応しにくい例も多い。薬物治療は抗ヒスタミン薬の内服が基本で,H2拮抗薬内服,紫外線治療,シクロスポリン内服なども試みられている。治療にあたっては,個々の症例の重症度に応じた治療目標設定と,患者背景に応じた治療の選択が重要である。一般的に,症状の完全な消失ではなく,生活に支障のない程度まで軽減させることを目標とし,重症例においては試行的な治療が必要なこともある。