特集 薬物アレルギー
III.NSAIDs過敏症
谷口正実
1
,
東憲孝
2
,
三井千尋
2
,
小野恵美子
2
,
林浩昭
2
,
福冨友馬
3
,
伊藤潤
2
,
谷本英則
2
,
関谷潔史
4
,
粒来崇博
4
,
石井豊太
5
,
梶原景一
2
,
森晶夫
6
,
三田晴久
2
,
秋山一男
7
Masami Taniguchi
1
,
Noritaka Higashi
2
,
Chihiro Mitsui
2
,
Emiko Ono
2
,
Hiroaki Hayashi
2
,
Yuma Fukutomi
3
,
Jun Ito
2
,
Hidenori Tanimoto
2
,
Kiyoshi Sekiya
4
,
Takahiro Tsuburai
4
,
Toyota Ishii
5
,
Keiichi Kajihara
2
,
Akio Mori
6
,
Haruhisa Mita
2
,
Kazuo Akiyama
7
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター 部長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター
3国立病院機構相模原病院臨床研究センター室長
4国立病院機構相模原病院 アレルギー科医長
5国立病院機構相模原病院耳鼻いんこう科医長/地域医療・情報部長
6国立病院機構相模原病院臨床研究センター 部長
7国立病院機構相模原病院臨床研究センターセンター長/国立病院機構相模原病院院長
pp.1782-1792
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201312030
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狭義のNSAIDs過敏症(不耐症)は,気道型(=アスピリン喘息〔AIA〕)と皮膚型に分かれ,後者は単一病態でなく時にCOX2阻害薬でも誘発される。 AIAはCOX1阻害薬で強いNSAIDsで強い上下気道症状を呈するが,COX2阻害薬は安全に使用できる。 AIAは後天的に発症する非(弱)アトピー型重症喘息の典型であり,好酸球性副鼻腔炎(鼻茸)を伴う。 AIAでは安定期でもCysLT産生亢進があり,その主要な産生源は鼻茸である。 AIAの鼻茸組織では好酸球とB細胞の活性化,形質細胞増加を認め,局所のIL5やCysLT濃度増加だけでなくIgE濃度も増加している。その基礎的病態としてCOX2発現低下による内因性PGE2の持続的産生低下が影響している。