特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅳ.好酸球の細胞接着とアスピリン過敏
三井千尋
1
,
谷口正実
2
Chihiro Mitsui
1
,
Masami Taniguchi
2
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長
pp.604-610
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705040
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アスピリン喘息(aspirin-exacerbated respiratory disease:AERD)は高頻度に難治性の好酸球性副鼻腔炎を合併し,副鼻腔炎と喘息の重症度は概ね一致する。AERDの主病態はcysteinyl leukotrienes(CysLTs)過剰産生であるが,AERD患者の上下気道では著明な好酸球集簇およびそれらのleukotriene(LT)C4 synthase(LTC4S)発現亢進が見られ,AERDにおけるCysLTs過剰産生に関与している。しかしながら,AERD病態は完全には解明されておらず,何故このような上下気道の好酸球集簇およびCysLTs過剰産生が生じるのかは分かっていない。近年,AERD患者の血液および鼻ポリープ組織では血小板の活性化および血小板付着白血球の増加を認め,それらが病態に関与している可能性が示唆されている。