特集 最近の大気汚染とアレルギー疾患
III.室内環境とアレルギー 2.環境真菌と気道アレルギー(喘息,アレルギー性気管支肺真菌症)
谷口正実
1
,
福冨友馬
2
,
渡井健太郎
3
,
齋藤明美
4
,
関谷潔史
5
,
粒来崇博
5
,
森晶夫
6
,
高鳥浩介
7
,
秋山一男
8
Masami Taniguchi
1
,
Yuma Fukutomi
2
,
Kentaro Watai
3
,
Akemi Saito
4
,
Kiyoshi Sekiya
5
,
Takahiro Tsuburai
5
,
Akio Mori
6
,
Kosuke Takatori
7
,
Kazuo Akiyama
8
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター 室長
3国立病院機構相模原病院
4国立病院機構相模原病院臨床研究センター
5国立病院機構相模原病院 アレルギー科医長
6国立病院機構相模原病院臨床研究センター 部長
7東京農業大学客員教授
8国立病院機構相模原病院 院長
pp.1536-1545
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410082
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環境真菌は,喘息や通年性鼻アレルギー患者において,スギ,ダニに次いで陽性率が高い主要アレルゲンである。屋外の飛散真菌としてAlternaria,Cladosporiumが重要であり,室内環境中の風呂場や水回りにも多い好湿性真菌である。その感作例では,これらが飛散しやすい梅雨から秋に気道症状が悪化しやすく,特に若年者喘息で重症化に関与する。一方,Aspergillus,特にA. fumigatusは,耐乾性真菌であり,比較的乾いた室内塵にも多く,ABPMの主原因であるとともに,(高齢者まで含めた)成人喘息の難治化,リモデリングの原因となる。2歳までの室内環境中の真菌や湿気が,将来のアレルギーや喘息発症を増加させる可能性が近年のメタ解析で指摘されている。