特集 気管支喘息の研究 アップデート
VI.アスピリン喘息の病態,機序-最近の知見から
谷口正実
1
,
三井千尋
2
,
東憲孝
2
,
小野恵美子
2
,
石井豊太
2
,
梶原景一
2
,
三田晴久
2
,
秋山一男
3
Masami Taniguchi
1
,
Chihiro Mitsui
2
,
Noritaka Higashi
2
,
Emiko Ono
2
,
Toyota Ishii
2
,
Keiichi Kajihara
2
,
Haruhisa Mita
2
,
Kazuo Akiyama
3
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター病態総合研究部長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター
3国立病院機構相模原病院臨床研究センターセンター長/国立病院機構相模原病院長
pp.1000-1010
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307056
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アスピリン喘息(AIA)は生殖期女性に後天的に発症する非アトピー型重症喘息の典型であり,好酸球性副鼻腔炎(鼻茸)を伴うことが特徴である。 COX1阻害が強いNSAIDsで強い上下気道症状を呈するが,その基礎にCOX2発現低下による内因性PGE2産生低下があると推定されている。 AIAでは安定期でも持続的なCysLT産生亢進があり,COX1阻害薬使用時には主にマスト細胞活性化による爆発的なCysLT産生が生じる。 なぜ後天的に発症するのか,なぜ少量のNSAIDs(アスピリン100 mg以下)で発作が生じるのか,どの細胞がCOX1阻害に過敏を示すのか,などいまだ不明である。