特集 薬物アレルギー
IV.薬剤性過敏症症候群
塩原哲夫
1
Tetsuo Shiohara
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室教授
pp.1793-1802
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201312041
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薬剤性過敏症症候群(DiHS)は,様々な潜伏ウイルスの再活性化を伴うユニークな重症薬疹である。遅発性発症,多剤感作,多臓器障害,再燃の生じやすさ,遷延した経過など,単なる薬疹の範疇を超えた疾患概念と言えよう。経過中に生ずるHHV-6の再活性化は診断基準となっているが,病態や後遺症にはむしろEBウイルスやサイトメガロウイルスの再活性化が関係している。Regulatory T細胞が初期には活性化し数も増加するが,それが退縮するとともに機能低下が生じるため,自己免疫疾患が発症しやすくなる。急性期の治療として,ステロイドの全身投与が原則だが,減量のたびに増悪が見られるので,治療の選択には難しい点も多い。