特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 6.NSAIDs過敏喘息は,なぜ重症・難治性喘息なのか?
東憲孝
1
,
福冨友馬
2
,
山口裕礼
3
,
三田晴久
4
,
谷口正実
5
Noritaka Higashi
1
,
Yuma Fukutomi
2
,
Hiromichi Yamaguchi
3
,
Haruhisa Mita
4
,
Masami Taniguchi
5
1日本赤十字社熊本健康管理センター/国立病院機構相模原病院臨床研究センター
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター 室長
3国立病院機構相模原病院臨床研究センター/聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院呼吸器内科主任医長
4国立病院機構相模原病院臨床研究センター
5国立病院機構相模原病院臨床研究センター 部長
pp.538-545
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304062
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NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)過敏喘息は,成人発症重症喘息の病態のすべて(重度の好酸球性炎症,鼻茸・好酸球性副鼻腔炎,女性の非アトピー体質)を併せ持っている。たとえ罹病期間が短期間でも気道リモデリングにより不可逆的気流閉塞をきたすため,難治化に至る。この喘息の難治化に,抗炎症性メディエーターの産生低下など特異的病態が明らかにされている。最近,新たなLT受容体や“trans-cellular biosynthesis”によるLT合成の関与も示唆されている。