特集 喘息とCOPD
知っておいてほしいサブタイプと肺の併存疾患
NSAIDs過敏喘息
関谷 潔史
1
,
藤田 教寛
1
,
岩田 真紀
1
,
永山 貴紗子
1
,
矢野 光一
1
1国立病院機構相模原病院アレルギー・呼吸器科
キーワード:
重症喘息
,
好酸球性鼻茸副鼻腔炎
,
NSAIDs不耐症
,
アスピリン喘息
Keyword:
重症喘息
,
好酸球性鼻茸副鼻腔炎
,
NSAIDs不耐症
,
アスピリン喘息
pp.1375-1378
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_1375
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Summary
▪NSAIDs過敏喘息は重症喘息・好酸球性鼻茸副鼻腔炎・NSAIDs過敏の三つを特徴とし,NSAIDsにより重度の上下気道症状を呈する非アレルギー機序の過敏反応である.
▪主病態はNSAIDsのCOX-1阻害作用によるCys-LTsの過剰産生であり,剤型を問わずCOX-1を阻害する作用のあるすべてのNSAIDs使用により症状が誘発される.
▪好酸球性鼻茸副鼻腔炎の存在が必発であり,嗅覚障害の有無が診断の手がかりになる.
▪NSAIDs過敏喘息患者では,コハク酸エステル型ステロイドの急速静注により喘息症状悪化を起こす可能性があるので,十分注意が必要である.
▪COX-2選択性の高いNSAIDsは,症状誘発をきたしにくい.
© Nankodo Co., Ltd., 2020