特集 好酸球性副鼻腔炎と周辺疾患
VIII.アスピリン喘息と好酸球性副鼻腔炎
谷口正実
1
,
石井豊太
2
,
三井千尋
3
,
東憲孝
4
,
小野恵美子
4
,
林浩昭
3
,
福冨友馬
5
,
関谷潔史
6
,
粒来崇博
6
,
森晶夫
2
,
梶原景一
3
,
三田晴久
4
,
秋山一男
7
Masami Taniguchi
1
,
Toyota Ishii
2
,
Chihiro Mitsui
3
,
Noritaka Higashi
4
,
Emiko Ono
4
,
Hiroaki Hayashi
3
,
Yuma Fukutomi
5
,
Kiyoshi Sekiya
6
,
Takahiro Tsuburai
6
,
Akihiro Mori
2
,
Keiichi Kajihara
3
,
Haruhisa Mita
4
,
Kazuo Akiyama
7
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター センター長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター 部長
3国立病院機構相模原病院臨床研究センター
4国立病院機構相模原病院臨床研究センター 特別研究員
5国立病院機構相模原病院臨床研究センター 室長
6国立病院機構相模原病院臨床研究センター 医長
7国立病院機構相模原病院 病院長
pp.72-81
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201501072
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アスピリン喘息(AIA)は成人喘息の5~10%を占め,後天的に生殖期女性に発症しやすい弱アトピー型重症喘息であり,ほぼ全例で好酸球性鼻茸を伴う。 AIAにおける好酸球性副鼻腔炎の程度と喘息重症度はおおむね相関し,両者の症状も連動しやすい。しかし,近年の吸入ステロイド普及により,上気道のみの悪化例や好酸球性中耳炎への進展例が増加した。 AIAや鼻茸の病態として,全身および気道局所におけるCOX2発現低下によるPGE2産生低下とCysLT過剰産生(エイコサノイド不均衡)が想定されている。 AIAでは血清のIgE値は軽度高値にとどまることが多いが,鼻茸局所におけるIgE産生は亢進している。その要因として黄色ブドウ球菌がスーパー抗原として作用している可能性が想定されている。