特集 薬物アレルギーをめぐって
Ⅱ.NSAIDアレルギーとNSAIDs不耐症の臨床像,病態,鑑別診断
谷口正実
1
,
三井千尋
2
,
林浩昭
2
,
富田康裕
2
,
上出庸介
3
,
渡井健太郎
2
,
福冨友馬
3
,
関谷潔史
3
Masami Taniguchi
1
,
Chihiro Mitsui
2
,
Hiroaki Hayashi
2
,
Yasuhiro Tomita
2
,
Yosuke Kamide
3
,
Kentaro Watai
2
,
Yuma Fukutomi
3
,
Kiyoshi Sekiya
3
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターセンター長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センター
3国立病院機構相模原病院臨床研究センター室長
pp.612-618
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805612
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NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)不耐症はプロスタグランディン(PG)合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)1阻害作用を持つNSAIDs全般に対する過敏症を指し,気道型と皮膚型に分かれる。気道型はいわゆるアスピリン喘息(AERD)であり,重症喘息と鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎を特徴とする。その病態として,COX2の発現低下によるPGE2減少とシスティニルロイコトリエン(CysLT)過剰産生を認める。狭義のNSAIDアレルギーはIgE(immunoglobulin E)機序の単一のNSAIDに対するアレルギーを指し,原因となるNSAIDを頻回に使用した後に感作され生じる。これらすべてを含めてNSAIDs過敏症と称する。