第Ⅱ部 注目の新薬
「ゾフルーザ®錠10mg,同20mg,同顆粒2%分包」
北村好申
1
,
北村正樹
2
1東京慈恵会医科大学附属病院 医療安全管理部門感染対策部
2東京慈恵会医科大学附属病院 薬剤部
pp.244-250
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201913244
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ゾフルーザ®錠,同顆粒(一般名:バロキサビル マルボキシル)はプロドラッグ製剤であり,小腸,血液および肝臓で加水分解されて活性体となり,インフルエンザウイルス特有の酵素であるキャップ依存型エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害し,ウイルスのmRNA合成を阻害することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する,既存の薬剤とは異なる新しい作用機序を有する抗インフルエンザウイルス剤である。本剤は,ほぼ20年ぶりに新規作用機序を有するインフルエンザ治療薬として単回経口投与でA型およびB型インフルエンザウイルス感染症患者に対して優れた効果があり,罹患期間の短縮および早期のウイルス減少効果が期待できるとともに,顆粒製剤が追加承認されたことにより患者のアドヒアランス向上が期待できる。